『新たなる始まり』
[お勧め度:5]
シリーズ四作目。
「義務教育」「学級崩壊」「高等教育」と続いてきたシリーズは、ついに「中村奈々子の教育」(「義務教育編」のあとがきより借用)を離れ、自立を求められる「大人社会」へ。
ストーリーも、それにふさわしい転回(展開の誤変換に非ず)を見せる。
前作「高等教育編」で、(技術者の)中村奈々子によって仄めかされた「この世界の真相」について、具体的な内容が明かされている。
それにより、それまでのシリーズにあった「謎」のいくつかは氷解した。
しかし、これによって深まった謎や、新たに生まれた謎もある。ここから、物語は新たに表情を変えて動き出すのだ。
今までの出来事を通して、山田・ギロっち・赤ずきんの三人の「中村奈々子」に渚亜砂里を加えた四人の絆もかなり深まっている。
これからの物語がどのように進んでいくにしろ、この強い絆は大きな役割を果たしていくだろう。新展開に向かって準備万端、といった感じだ。
「教育」であったこれまでの三作と、これ以降書かれるであろう作品との橋渡し。おそらくそのためだけといってもいい一冊だ。分量も他の作品より数十ページほど短い。
「始まったばかり」でありすぎる作品なので、本来なら五つ星などつけるべきではないものなのかもしれないが、そのリーダビリティの高さに完全に引き込まれてしまったので、五つ星をつけてしまうことにする。これから先の物語に大いに期待したい。
ところで、今まであとがきの最後で必ず述べられていたことが、四作目にて初めて無くなってしまった。何のことかというと、
・・・次はいったい「何編」になるんですか日日日さん?